安住紳一郎の日曜天国 2015年12月20日レンタルお坊さん
- 2015/12/28
- 01:01
23分から、レンタルお坊さんの特集
インターネット通販大手・amazonで12月8日、ついに「お坊さん」までがそのラインアップに加わり、ワンクリックで注文、「お布施」はクレジットカードで決済できるようになった。「お坊さん便」は四十九日や一周忌といった法事(法要)の際に、読経を行なう僧侶の手配サービスだ。料金は、自宅など手配先への訪問のみなら3万5000円。全国どこでも手配が可能だという。
神奈川県在住・64歳の利用者男性は「地方出身者で菩提寺がない、お坊さんとの個人的な付き合いもない人には、利用価値はあると思いました」と語る。さらに、メリットを感じているのは遺族だけではないようだ。都内に住む30代の僧侶がいう。
「僧侶の仕事は確実に減ってきています。お寺は檀家さんのお布施で成り立っているのですが、派手な葬儀は姿を消し、急速に簡素化が進んでいる。地方では墓の面倒が見られないという理由で“墓じまい”をして寺を離れる檀家も増えてきました。特に私のように寺を持たない“マンション坊主”にとって、このサービスで仕事が入るのはありがたいことです」
「お坊さん便」がamazonに出品された日、利用者からの問い合わせが殺到したという。
「それ以上に多かったのが僧侶からの“登録したい”という電話。これは予想外でした」(「お坊さん便」を運営する「みんれび」取締役副社長の秋田将志氏)
しかし、仏教界からは、「宗教をビジネス化している」という批判的な意見もあがっている。主要宗派が加盟している全日本仏教会の広報担当者が言う。
「私どもはずっと“お布施を明確に金額に表わしてはいけない”と主張し続けています。法要や葬儀で僧侶がお経を読む行為は営利目的ではない。これでは結婚式の司会者を手配するのと変わらない。私は一僧侶として疑問を感じます」
・